【管理栄養士解説】手の震えで食事がしづらい方へ|おすすめ食器・スプーン・便利グッズ
「最近、食べ物をこぼすことが増えた」
「お茶を飲もうとすると手が震えてしまう」
「外食が恥ずかしくて避けるようになった」
手の震えは、食事のしづらさだけでなく、自信や楽しみを失う原因にもなります。
特に高齢者にとって食事は毎日の楽しみのひとつです。
しかし、手の震えによって思うように食べられなくなると、人前で食事をすることが億劫になったり、外出を控えるようになったりすることもあります。
手の震えで食事に困っている方は意外と多い
手の震えに悩む方は決して少なくありません。
高齢になるにつれて増える症状のひとつで、
- 箸で食べ物をつかみにくい
- スプーンから食べ物がこぼれる
- コップを持つと飲み物がこぼれる
- 人前で食事をするのが恥ずかしい
といった悩みにつながります。
食事がうまくできなくなると、栄養状態の悪化だけでなく、「自分で食べられない」という精神的な負担も大きくなります。
手の震えの原因は?
手の震えにはさまざまな原因があります。
加齢による変化だけでなく、病気が関係している場合もあります。
本態性振戦(ほんたいせいしんせん)
手の震えの原因として最も多いのが本態性振戦です。
本態性振戦とは、はっきりした原因が分からないまま起こる震えのことをいいます。
特徴は、
- コップを持つ
- 箸を使う
- 文字を書く
など、何か動作をするときに震えが出やすいことです。
じっとしているときには目立たない場合もあります。
症状はゆっくり進行することが多く、命に関わる病気ではありませんが、日常生活に大きな影響を与えることがあります。
パーキンソン病
パーキンソン病でも手の震えがみられることがあります。
本態性振戦との違いは、何もしていない安静時にも震えが現れやすいことです。
また、
- 動きが遅くなる
- 歩幅が小さくなる
- 身体がこわばる
などの症状を伴うことがあります。
脳梗塞の後遺症
脳梗塞後の後遺症として、手の震えや動かしにくさが残ることがあります。
特に片麻痺がある場合は、食事動作が難しくなることも少なくありません。
手の震えがあっても食べやすくする方法
手の震えがあるからといって、すぐに介助が必要になるわけではありません。
食器や食事環境を工夫することで、自分で食べられる時間を延ばせる場合があります。
箸からスプーンへ変えてみる
箸は細かな指の動きが必要です。
「箸が使えなくなった」と考えるのではなく、「今の自分に合った道具を選ぶ」と考えることが大切です。
深さのある食器を使う
平らなお皿は食べ物が逃げやすく、震えがある方には食べにくい場合があります。
縁が高い食器を使うことで、食べ物を集めやすくなり、食べこぼしの予防につながります。
食器が動かないようにする
実は、食べこぼしの原因が手の震えだけではないこともあります。
食器がテーブルの上で滑ることで、さらに食べにくくなっているケースもあります。
シリコーン製のお食事マットなどを活用すると、食器が安定し、食事がしやすくなることがあります。
管理栄養士おすすめ
手の震えで食事しづらい方におすすめの便利グッズ4選
手の震えによる食べにくさは、食器やカトラリーを工夫することで改善できる場合があります。
ここでは、管理栄養士の視点からおすすめしたい食事サポートグッズをご紹介します。
ライトユニバーサルスプーン
まず最初に試してほしいのが、ライトユニバーサルスプーンです。
軽量で持ちやすく、口まで運びやすい形状が特徴です。
こんな方におすすめ
✓ 箸よりスプーンの方が使いやすい方
✓ 食べこぼしが増えてきた方
✓ 握力が低下してきた方
ラクラクシリーズ
ラクラクシリーズは、握りやすい太いグリップが特徴のカトラリーです。
手首の動きが制限されている方でも使いやすいよう工夫されています
こんな方におすすめ
✓リウマチなどで握りにくい方
✓ 指の力が入りにくい方
✓ 普通のスプーンが使いづらい方
箸ノ助
「まだ箸を使いたい」という方におすすめなのが箸ノ助です。
自然に箸先が合う構造になっているため、通常のお箸よりも食べ物をつかみやすくなっています。
こんな方におすすめ
✓ 箸を使い続けたい方
✓ 握力が低下してきた方
✓ 食べこぼしが増えてきた方
シリコーン製お食事マット
意外かもしれませんが、食べにくさの原因は手の震えだけではありません。
食器が滑ったり動いたりすることで、さらに食事が難しくなっていることがあります。
こんな方におすすめ
✓食器が動いてしまう方
✓ 片手で食事をしている方
✓ 食べこぼしが増えた方
楽しい食事が何よりの栄養
高齢者にとって食事は、栄養補給だけでなく楽しみや生きがいのひとつです。
手の震えによって食事が苦痛になってしまうと、食欲の低下や外出機会の減少にもつながることがあります。
しかし、食器やカトラリー、食事環境を少し工夫するだけで食べやすさが改善することも少なくありません。
「もう仕方ない」とあきらめる前に、自分に合った道具を試してみてください。
まとめ
手の震えの原因には本態性振戦やパーキンソン病などさまざまなものがあります。
食事中の震えに悩んでいる場合は、病気の治療だけでなく、食器や食事環境を見直すことも大切です。
今回ご紹介したスプーンや食器、便利グッズを活用しながら、少しでも安心して楽しく食事ができる環境づくりを目指してみてください。
合わせて読みたい
【管理栄養士おすすめ】高齢者が食べやすい食器・スプーン・箸10選
手の震えや握力低下による食べにくさは、食器やカトラリーを見直すことで改善できる場合があります。
この記事では、高齢者が使いやすいスプーンや箸、食器を管理栄養士が厳選してご紹介しています。
介護食作りがラクになる便利グッズ
刻み食ややわらか食作りは、毎日続くと大きな負担になります。
介護食作りをサポートしてくれる便利グッズを管理栄養士がご紹介しています。
楽しい食事は最高の介護|「食べる楽しみ」を守るために
高齢者にとって食事は栄養補給だけでなく、生きがいや楽しみでもあります。
食べる喜びを支えるために、ご家族ができる工夫についてまとめました。


