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介護認定が不服?ケアマネ任せにならない事前準備のポイント

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介護保険サービスを利用するためには、要介護認定または要支援認定を受けることが必要です。

認定をうけるためには、おこなわれるのが「認定調査」です。

「認定調査」は、国が定めた一定の方法と基準に基づいて、各市区町村が実施しています。
この「認定調査」において、要介護認定または要支援認定を受けた人は、介護度に応じた介護サービスを利用できます。

介護度認定ですが、実際に介護通所施設で働いていると・・・

管理栄養士
管理栄養士
Bさんより、Aさんの方が明らかに要介護状態は高いように思うんだけれど・・・

なんて、違和感を感じることも実際にはあります。

高齢者1人をただ見ている分には、介護度を聞いても何も感じませんが、
特に通所施設のようにご自身で動ける状態で高齢者が集まっている場所で介護度の違う方々が集まっていると、その差や違和感は強く感じられます。

また、管理栄養士としてケアマネと担当者会議に参加するときにも

「認定調査」でまた、介護度が軽く見られたから思うように介護サービスが受けられない・・・

と嘆いている老老介護をされているご家族の声も多々聞かれます。

利用できる介護サービスは要介護度によって変わってくるので、本人というよりは介護を担う家族にとって認定調査はとても重要です!!

今回は、「介護認定調査の流れ」「認定の調査内容」など、要介護認定の基本情報と、介護保険認定を受けるときに「後悔しないためのポイント」を私の経験から分かりやすく解説します。

\\▼「介護認定を受ける前に一読をおすすめします▼//

介護認定調査の流れ

要介護認定の判定を行うには、まず「介護保険要介護・要支援認定申請書」を介護サービスを受ける方が住んでいる市区町村の窓口に提出します。

その後、認定調査員(市区町村の職員、区分変更の場合はケアマネジャーなど)が自宅を訪れ、聞き取りによる認定調査が行われます。
これらの結果をもとに、コンピューター分析を行い一次判定を行います。

その後、一次判定の結果をもとに「介護認定審査会」が総合的に判断。
要介護度が決定します。
(介護認定審査会は、保健・医療・福祉の学識経験者5名程度で構成されています)

介護度が決定すると、認定結果通知書と認定結果が記載された被保険者証が送付されます。

管理栄養士
管理栄養士
書類の到着は、要介護認定の申請日から30日以内が目安と言われていますが、実際にはもう少し早く着く場合が多い印象です。

要介護認定の調査内容は?

1次判定では、次の書類をもとに介護判定が行われます。

1.認定調査票(特記事項)
2.主治医の意見書

1.認定調査票

認定調査員が対象者を訪問し、聞き取り調査によって作成する書類。
「概況調査」の欄には、現在受けている介護サービスのほか、家族や住居、既往歴など、対象者の現在の状況が記載されます。

「基本調査」の欄は、
(1)身体機能・起居動作
介護認定を希望する本人が、生活する上で必要な基本動作をどの程度できるか確認します。内容は、体に麻痺しているところがないかを確認する「麻痺」、関節の動きを見る「拘縮(こうしゅく)」のほか、「寝返り」「視力」「聴力」など13項目があります。聞き取り調査が中心ですが、必要に応じて実際に体を動かしてもらうこともあります。

(2)生活機能
「食事摂取」「排尿」「上衣の着脱」「外出頻度」など、日常生活に伴う行動がどの程度できるかを確認します。

(3)認知機能
「自分の名前を言う」「生年月日や年齢を言う」など自身に関する基本的な項目の確認や自分のいる場所をこたえてもらうことによって、意思の伝達・短期記憶の状態などを確認します。

(4)精神・行動障害
過去1カ月を振り返ったときに「社会生活を送る上で不適当な行動があったか」「あった場合、頻度はどの程度だったか」を確認します。
「泣いたり、笑ったりして感情が不安定になることがあったか」「大声を出すことがあったか」などの質問に「ない」「ときどきある」「ある」のいずれかで回答します。

(5)社会生活への適応
薬の内服や金銭管理、買い物や簡単な調理といった社会生活を行う能力があるかどうかや、集団に適応することができるかどうかを調査します。

以上の5つに大別されてチェック形式で記載されます。
このほかに、過去14日間にうけた特別な医療(透析、じょくそうの処置など)についても確認されます。

特記事項
認定調査票の「基本調査」の項目だけでは推し量れない特別な事情や、介護にあたるご家族の状況など、要介護度の決定に関係する特別な情報を認定調査員が自由に記載するものです。

2.主治医の意見書

対象者の心身状態や生活機能について、医師が医学的な観点から記述するものです。
今後の見通しや起こりうる症状、日常生活における留意事項、必要と考えられる介護サービスなど、介護に関わる項目を幅広く記載します。
認定調査を受けても、「主治医の意見書」がないと、介護認定の審査対象にはなりません。

管理栄養士
管理栄養士
かかりつけ医がおらず、どこに頼めば良いか分からないときは、地域包括支援センターに相談してみましょう。

これらの、聞き取り調査をもとにコンピューターが要介護認定等基準時間の推計値を算出し、7つに分類(要支援1~要介護5)されます。

1次判定の結果、主治医の意見書、その他の必要書類により、介護認定審査会が、要介護認定区分の最終判定を行います。

認定調査で後悔しないために

冒頭でも書いていますが、

管理栄養士
管理栄養士
介護を担う家族にとって認定調査はとても重要です!!

要介護認定の際に対象者の元にやってくる認定調査員は、選ぶことはできません。

おそらく初めて会う人である可能性が高いと思います。

もちろん調査員の方は、不公平なく調査を行うスキルをもった方ですが人間ですから相性はあると思い生ます。
話しやすい人だな~と思える方ならラッキーですが、少し話しかけにくいなぁ・・・と感じる方が来る場合ももちろんあります。

どんな調査員の方が来た場合でも、家族の現状をしっかりと明確に伝えるには少なからず準備も必要です。
嘘や、誇張して介護の現状を伝える必要はありません。(というかむしろNG!)

介護認定の後悔あるある話ですが、

・普段は、体調のムラによってベット上で過ごすことが多い人が認定調査員が来訪したときには、妙にしっかりして動き回れていたので介護認定が低く出てしまった・・
・普段は生活に支障が出るほどの物忘れも多い認知症の方が、認定調査員が来たときはしっかりと受け答えが出来ていて、介護認定が低く出てしまった・・

というパターンは多く聞かれます。

普段は家族の前だと病状のままに生活できる方も、初めて会う調査員に対しても「普段以上にしっかりしなければ」という意識が働きやすく、ハキハキ・しっかりとと答えてしまう傾向があります。

実際には“できていない”ことであっても、本人は“できている”と思い込んでいるため、本人の中ではありのままの事実を伝えている気持ちで偽りを偽りなく答えてしまうといった状態です。

事前に伝えたいことをリストアップ

介護する家族が日々どれほど大変な思いをしていても、あいまいな言葉や雰囲気での伝え方ではなかなか調査員に理解してもらうことは難しいのが現状です。

つらい、大変・・・だけではなく、どんな行為がつらいのか、どんな介助に大変さを感じているかなどとにかく具体的に「頻度や時間帯」も含めた実例を交えて伝えることが必要です。

認定調査の時間は1時間程度ありますが、認定調査票は確認項目も多いため思った以上にあっという間に終わります。「これだけは伝えなければ!」ということは前もってリストアップし、メモにまとめておくことをおすすめします。

※出来るのであれば認定調査票のどの項目でこの内容を伝えよう!など事前にシュミレーションしておくと、よりスムーズに調査に臨めると思います。
認定調査票は厚生労働省のHPに公開されています。

更新時は介護度の違いで、どんな変化があるか具体的に伝える

要介護認定の更新時に、「介護度が軽くなってしまう」ことを心配される方も多いと思います。
介護調査員の違いや、調査日の対象者の状態によっても介護度の認定に差が出る場合は少なからずあります。

介護度によって、使える介護サービスや支給限度額は変わるため介護を担う家族にとっては非常に重い問題です。

その際に、これ以上低い判定になるとお金がたくさん必要になるから・・・困ってしまうから・・・などといった漠然とした不安を伝えても正直なところ無意味です。

できるだけ、「なぜ家族にとって、利用者にとってこの介護サービスが必要なのか、使えないとどう困るのか」を、筋道を立てて具体的に伝えることが大切です。

たとえば、「家族は仕事で不在にすることが多いが、デイケアでリハビリすることによって、日中を一人で過ごすための身体機能がなんとか維持できている。要支援2になると今の回数分、デイケアが利用できないので、今の生活を続けていくために要介護1は必要」

「高齢者夫婦の老老介護の現状で、介護度が低くなりデイケアの利用回数が減ってしまうと妻(夫)の介護負担が増えて精神的な負担も大きく共倒れになる恐れがある・・・」といったかんじです。

ケアマネージャーに相談してみよう

「何を、どう伝えれば良いかわからない」という方は、ぜひケアマネジャーに相談してみてください。どのポイントを推せば認めてもらいやすいか、どのようにアピールすれば良いか、一緒に考えてくれるはずです。

また、担当のケアマネージャーに相談しにくいというかたは、現役ケアマネージャーがまとめた介護保険制度 認定審査時の模範解答【簡易版】の資料もおすすめです。

管理栄養士
管理栄養士
現役のケアマネージャーさんがまとめただけあって、一般的な認定審査に関する情報より、一歩踏み込んだより具体的な内容でした。

\\▼「介護認定を受ける前に一読をおすすめします▼//

まとめ

「介護認定調査の流れ」「認定の調査内容」など、要介護認定の基本情報と、介護保険認定を受けるときに「後悔しないためのポイント」を解説しました。

介護サービスを受けるには、要介護認定が必須です。
介護サービスを受けたいと思ったときは、親が住む市区町村に問い合わせることからです。
介護認定を受ける際は、後悔のないようにぜひ、今回の記事を参考にしてみて下さい。

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