高齢者の低栄養
噛む力(咀嚼力)や飲み込む力(嚥下力)が弱まってきてしまうと、食べられるものに偏りが出てきてしまい栄養が不足しがちです。
1人暮らしの高齢者は食欲がわかずに、1日の食べる回数を減らしてしまう方もいらっしゃいます。
そうなると必然的に摂取する栄養量が不足してしまいますよね。
▼こちらの記事で「高齢者の食事の必要量(カロリー)」を解説しています▼
“あなたが作る介護食足りていますか?!”
栄養が不足すると、人間の免疫力は必ず低下してしまいます。
免疫力が低下すると、体調を崩しやすく、治りも遅くなります。
低栄養状態が続いてしまうと、寝たきりや床ずれ(褥瘡)のリスクも上がります。
感染力の強い「コロナウイルス」に対して、今できることは、できる限り自己免疫力を高め肺炎の重症化を防ぐことだと思います。
本記事のテーマ
高齢者の免疫力低下のサインを見逃さずに低栄養予防に努めよう!
しっかり栄養をとることで免疫力もUP!肺炎予防につなげよう。
高齢者の免疫力低下のサイン
高齢者の、免疫力が低下していてなんらかのトラブルが発生しているとき以下のような症状が現れる場合が多いです。
こんな症状ありませんか?
・よく微熱をだす
・風邪をひきやすい
・体重が落ちていく
・食が細くなった
免疫力が低下すると風邪をひきやすくなったり、体調を崩しやすく、また治りも遅くなります。
微熱が続くような場合は誤嚥性肺炎も疑われます。
▼ こちらの記事で「高齢者の誤嚥リスクと予防法」をご紹介▼
誤嚥は死にも繋がる危険リスク!
低栄養によって体力が落ちてしまうと、さらに食が細くなり免疫力が下がってしまうという悪循環に陥りやすくなります。
高齢者が不足しやすい栄養素
高齢になると、必要な全体のカロリーは減ってきますがたんぱく質やビタミン・ミネラル量は成人の量とほとんど変わりません。
少食になり、食事量が減ってしまいがちな高齢者が特に気をつけたい栄養素があります。
高齢者食事ができる場合は、カロリーやたんぱく質、ビタミン、鉄、亜鉛を意識して食材を選びましょう。
特に朝はたんぱく質を補給することを意識してください。
朝食であれば、ヨーグルトや乳製品、飲み込みに問題がなければ納豆なども腸内環境を整える上でもお勧めです。
最近では「腸活」なども流行っています。腸は最大の免疫機関です。
腸内環境を整えることで免疫力もUPします。
不足しやすい栄養素 | 多く含まれる食品 |
たんぱく質 | 大豆製品(豆腐・納豆)、お肉、白身魚、乳製品(牛乳・ヨーグルト)、卵 |
鉄 | レバー、卵、高野豆腐、ほうれん草、なまり節、赤身肉、魚の血合 |
亜鉛 | うなぎ、卵、レバー、納豆、お肉、海苔 |
ビタミンA | うなぎ、モロヘイヤ、ギンダラ、海苔 |
ビタミンC | 果物、いも類 |
▼こちらの記事で「高齢者が積極的に摂りたい栄養素」を解説しています▼
“低栄養は高齢者にとって深刻な問題です!”
ちょい足しのすすめ
「ちょい足し」とは、その名の通り、普段のお食事に手間のかからない食材をちょっとだけプラスして栄養価をUPする方法です。
ごはんや麺類など単品料理になりがちな時も、調理の手間がかからない食材をちょっとだけプラスしてみましょう。
たとえば・・・
・いつものごはんにシラスをちょい足し。
・ごはんに、ねぎとろや温泉卵をちょい足し。
・みそ汁にお豆腐をちょい足し。
・うどんにツナ缶をちょい足し。
・ハンバーグにチーズをちょい足し。
・牛乳に卵や砂糖をちょい足ししてミルクセーキになんて方法も良いですね。
1回のお食事量が少ない場合は、少ない量で栄養を摂らなければいけなくなってしまいます。
そんなときは、間食をちょい足しするのもお勧めです。
バナナやプリン、アイスクリームも高カロリーで食べやすい間食です。
▼ こちらの記事で「【明治メイバランス】の口コミ評判」をご紹介▼
種類も豊富なので参考にしてみてください!
好き嫌いがある場合は、無理してバランスを考えたり、栄養バランスばかりに気をとられすぎずに、本人が食べたいなと思うものを食べさせてあげましょう。
*嚥下状態に問題がある場合は医師や管理栄養士と相談してください。
まずは可能な限り「口」から、自分の意思で食べてもらうことが大切です!
自分が「食べたい」と思った物なら、少量でも「美味しく」食べることで得られる満足感がまた次の食欲へと繋がっていきます。
▼こちらの記事で「高齢者向け市販の介護食デザートおすすめ6選」をご紹介▼
ゼリーやムース系に飽きてきた方は必見!
▼ こちらの記事で「通販で買える高齢者向け高栄養食品」をご紹介▼
通販の方が断然安く買えますよ!
まとめ
免疫力を上げるためには、何よりもしっかりと栄養を摂ることです。
体重が減ってきたな・・・風邪をひきやすくなってきた・・・といった小さな変化を見逃さずに出来るだけ早めに対応することで、体力低下→食事量減少→免疫力低下→肺炎・・・の負の悪循環に陥ることを未然に防ぎましょう。
また、動ける場合はお散歩などのほどよい運動も体力・気力の回復には有効です。
介護を受けながらも、無理のない範囲で運動を続けることで筋力を少しでも維持出来ると、介護度の維持、改善も期待できます。
▼ こちらの記事で「栄養士推薦!筋力対策で話題【長白仙参】」をご紹介しています。▼
栄養士目線で実際に食べてみた体験談やお勧めの理由をレビューしています。
好きなテレビや落語で「笑う」ことで免疫力をあげるのも良いですね。
ご紹介した「ちょい足し」食品の中には、比較的保存がきくもの(ツナ缶・チーズ・油・マヨネーズなど)が多いので、ある程度買い込んでストックしておくと、災害時はもちろんですが忙しいときにもいつでも手軽に利用できますね。
▼”やわらかダイニング“は食事について管理栄養士に気軽に相談できます▼
介護食のお弁当選びに不安がある方にもおすすめ。