本来、口から食道に入るべき食べ物や飲み物などが誤って気管に入ることで「窒息」や「誤嚥性肺炎」などの死に繋がるような重大なリスクを招きます。
▼こちらの記事で「高齢者の「誤嚥」の怖さと予防法」をご紹介しています。▼
“誤嚥”は死に繋がる危険がありますよ!
自分の力で食べられる場合は、適切な「自助具」を利用しながら、
介助されて食べる場合も適切な「介助用スプーン」を利用しながら、
「食べる楽しみ」を失わずに安全にお食事ができることが理想的です。
安全に食べるための食事環境づくり
食事を安全に美味しく食べるためには、リラックスして好きなものを食べること、食事に集中できる環境づくりが大切です。
テレビの音が聞こえたり、慌ただしく人の動きがあったりする場所では食べる・飲み込むことが難しい人の集中力を欠き誤嚥を引き起こしやすくなってしまいます。
・介助を受ける人が見える位置に食べ物を配置しましょう。
・介助者の目線から90度以内に介助を受ける人の目線と食べ物を配置しましょう。
・介助を受ける人の両手は安定するように、テーブルの上にのせましょう。
・介助を受ける人に食事を見せて視覚的に認知を高めましょう。
横・上からの逆手での介助は危険
食べ物の配置や介助する人の位置などにも気をつけましょう。
横からや上からの介助は、あごがあがってしまい誤嚥を引き起こしやすくなるため危険です。
介助するときは、
出来るだけ「右側から介助するときは右手」「左側から介助するときは左手」を使いましょう。
◆左側から右手でスプーンをもって操作するデメリット
×上手く口に入らない
×こぼれやすい
×誤嚥のリスクが高まる
×横を向いて食べると疲れやすく食事量が低下しやすい
◆上から介助するデメリット
×食べ物が見えない
×あごがあがって誤嚥のリスクが高まる
×疲れやすく食事量が低下しやすい
食べ物は本人の前にきちんと置き、視覚・嗅覚の刺激を与えることで脳へ情報が伝達され、本人自身が『どのように食べるか』という判断をすることで「しっかりと食べる」行為へと繋がりやすいです。
介護用スプーンの選び方
スプーンは小さめでスプーンホールが浅く、全体が下の中央に入るようなサイズのものがおすすめです。
家庭にあるカレースプーンは、使いやすいようですが実際には食べる時にすすってしまいむせやすいので誤嚥や窒息を起こしやすくなるため注意が必要です。
大きなスプーンは避ける
使ってしまうと…
×スプーンが口に入らず食べこぼしやすい
×すすってしまい誤嚥しやすい
×一口量が多くなり窒息を誘発しやすい
おすすめの介護用スプーン
【軽量タイプ】
【口当たりが優しいタイプ】
【形が変えられるタイプ】
【介助者が使いやすいタイプ】
スプーンの使い方のきほん
ベット上の場合
①介助される人に食べるものをしっかりと見せる。
(目から30センチくらいの距離がとらえやすい)
②スプーンを舌と平行に挿入する。
(挿入までの高さは鼻から舌で行う)
③介助者が手に持った食べ物が入った皿は、斜め下に固定する。
(高い位置におくとあごが上がりやすい)
④スプーンホール全体を下の中央へ接地し、スプーンの背で舌に軽く刺激を与える。
⑤スプーンホール全体を口に入れて口唇を閉鎖できるようにする。
⑥スプーンホール全体を上唇に滑らせるように引く。
座っている場合
①鼻から下でスプーン操作を行い、動きを目線でとらえられるようにする。
②スプーンは斜め下45度の角度から口に挿入する。
③スプーンは舌の上にしっかりと接地するように挿入する。
④スプーンホール全体を口に入れたら、唇を閉じてもらう。
⑤スプーンをひくときは、上唇にスプーンホール全体を滑らせるように引く
あごを引いた状態でスプーンを下から入れると誤嚥しにくいですが、あごが上がった状態で上からスプーンを挿入するのは誤嚥しやすいので非常に危険です。
まとめ
今回は、安全に食事介助を行うための「介護用スプーン」の選び方や使い方のポイントを解説しました。
自宅にスプーンはあるので、ついついそのまま適当に選んだものを使用していませんか?
それは、とっても危険なことですから辞めましょう。
おすすめの介護用スプーンもご紹介させていただきました。
たかがスプーン1つ、されどスプーンです。
食環境って本当に大切です。
安全で使いやすい介護用スプーンを正しく使用して、介護者も介護される人も負担の少ない楽しい食環境づくりに努めましょう。
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!!安全なお食事のために再確認必須です!!
家庭でもとろみ剤を活用して誤嚥しにくい食事作りを心掛けましょう。
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介護食の作り置き、どうしてる?