本記事のテーマ
レトルト特有の臭さの原因を探り、解決方法を解説します。
はじめに
昨今、介護食でもたくさんのレトルトの商品が販売されています。
実際に食べてみると美味しいものもたくさんあるのですが、中にはレトルト品特有の風味。。。
「レトルト臭さ」を感じるものがありますよね。
とっても便利なレトルト食品だけれど、このにおいがあるとどうも食欲が減退します。
このレトルト特有の臭さって何が原因なのでしょうか。
この臭いさえなければもっと美味しくなるはず!!
今日はそんなレトルト臭を軽減させる方法も解説します!
レトルト食品ってなんだろう?
そもそも、「レトルト食品」ってどんなもののことを指すのでしょうか?
レトルト製造会社でもある日本調味食品株式会社のHPを見てみると以下のように定義されていました。
Q1 「レトルト食品」とはどのようなものですか?
●「JAS法」(農水省関連)上の定義によると、(レトルトパウチ食品品質表示基準)「プラスチックフィルムもしくは金属箔又はこれを多層に合わせたものを袋状その
他の形状に成型した容器(気密性及び遮光性を有するものに限る。)に調製した食品を詰め、熱溶融により密封し、加圧加熱殺菌したものをいう。」
→「レトルトパウチ食品」
●「食品衛生法」(厚労省関連)上の定義によると、(食品・添加物の規格基準)「食品(清涼飲料水、食肉製品、鯨肉製品及び魚肉練り製品を除く)
を気密性のある容器包装に入れ、密封した後、加圧加熱殺菌したものをいう。」→「容器包装詰加圧加熱殺菌食品」すなわち、「容器包装詰加圧加熱殺菌食品」のうち、
遮光性のある容器に詰められた食品が「レトルトパウチ食品」ということになります。
なんだか難しく書いてありますが…
要は、気密性及び遮光性のある容器に密封された後、加圧加熱殺菌された食品のことを指します。
ちなみに、レトルト食品は完全調理済みのものがパッケージされているものなので、基本的には温めずにそのまま食べることが可能です。
ちなみに、レトルト品の加熱の仕方で、
「袋のままで電子レンジ加熱せず、深めの容器に中身を移し替えて、ラップをして加熱して下さい。」
と記載がありますよね。
このまま加熱出来たら良いのに…
なんて考えたことがある方もいると思います。
なぜそのまま加熱してはいけないのか。
一般的なレトルトパウチ食品のレトルトパウチはフィルム構成の中に「アルミ」を含んでいるためだそう。
「アルミ」は電子レンジのマイクロ波を透過させず、吸収するため、中身が温まらないのです。
「アルミ」はマイクロ波を吸収してスパークする(火花を発する)場合もあり危険なため、容器への移し替えが必要となっています。
ただし、「アルミ」がないと光や酸素を通しやすく、品質劣化速度は速くなるため、賞味期限が通常のレトルトパウチ入り食品に比べ短く設定されているそうです。
レトルト臭さの原因
さて、本題のレトルト食品特有の「レトルト臭」についてです。
レトルト食品は密封後に高温高圧で加熱殺菌がされます。
その時、高温にさらされることで食材に含まれる含硫アミノ酸が加熱されて含硫化合物が生成し「不快なにおいの原因」となっています。
レトルト食品をつくるには、高温高圧での加熱殺菌は必須なので、この高温にさらされることで生まれる匂いは避けられませんね。
最近はこのレトルト臭を抑えた「新含気調理法」という新たな調理法も生まれているようです。
この方法は、減滅菌化処理をした食材に下味を付けて、調味液と一緒にパウチの中に入れ、パウチの中の空気を出して不活性ガス(窒素ガス)を充填して密封。
その後、パウチごと調理と殺菌が行われています。
新含気調理法の場合、最小限の熱で十分な殺菌ができるので、食品に与えるダメージが少なくレトルト特有の臭いの発生も抑えることができるんですね。
レトルト臭さをなくすには
レトルト特有の臭みを消すには、
・発生自体を抑える方法
・臭いをごまかす方法(マスキング)
という2つの方法があります。
レトルト臭の発生を抑える方法
マスキング焼酎
玉ねぎ由来の香気成分には、硫黄化合物由来のにおい(硫黄臭)の発生を抑え、レトルト臭を抑える効果があります。
インターネットで探すと玉ねぎ由来の成分が配合された「マスキング焼酎」といわれるものが販売されていました。
宝酒造株式会社から販売されているもので、含硫化合物を主体としたレトルト臭の消臭効果に優れた料理用マスキング焼酎です。
別皿に移して加熱前にかるく振りかけると良いようです。
・臭いをごまかす方法(マスキング)
匂い自体は抑えられないけれど、他の香りをプラスすることで「レトルト臭」を感じにくくする方法です。
スパイスパウダー、ハーブパウダーを使用する
カレーならばカレーパウダー、ハンバーグならスパイスパウダー、トマトベースのものならバジルなど粉末を軽く振りかけてみましょう。
粉末のパウダーを混ぜ込むだけであれば、噛む力や飲み込む力が低下していても取り入れやすいですね。
スパイスパウダーはスーパーなどでも手軽に購入することが出来ます。
香味油をティースプーン1杯ふりかける。
ゴマ油や亜麻仁油、えごま油などをかるくかけてみましょう。
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乳製品を加える
こちらは先日介護食のハンバーグを食べた際に私が実際に行った方法です。
ハンバーグなどであれば上にチーズをのせたり生クリーム、コーヒークリームなどをかけても旨みがUPして臭み消しになると思います。
▼ こちらの記事で「レトルト介護食の臭みを消すアレンジ」をご紹介▼
美味しく食べてほしいですよね♪
まとめ
今回はレトルト介護食を食べる時のお悩みである、レトルト臭の原因とその臭いを軽減させる方法を解説しました。
せっかく食べるのであれば、美味しく食べたい!食べてほしい!ですよね。
介護する側は、手作りではなく、レトルト食品を食べてもらうとそれでなくても少し申し訳なく感じてしまいがち・・・
今回紹介した、レトルト臭を軽減させる方法を実践して少しでも美味しく食べてもらえるようになれば介護する人も介護される人も嬉しくなれますね。
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栄養士目線で味や食べやすさを解説しています。