高齢者の食事で誤嚥予防のために使われる「とろみ剤」。

病院や介護施設だけでなく、在宅介護でも広く使われています。

しかし、

  • とろみがうまく付かない
  • ダマになってしまう
  • 毎回濃さが違う
  • これで合っているのか不安

と感じている方も多いのではないでしょうか。

実際に私が病院や高齢者施設で勤務していた頃も、ご家族からとろみ剤の使い方について相談を受けることがよくありました。

とろみ剤は便利な反面、使い方を間違えると飲み込みにくくなったり、かえって誤嚥のリスクにつながったりすることもあります。

そこで今回は、管理栄養士の視点から

  • とろみ剤の基本的な使い方
  • ダマにならないコツ
  • とろみ調整で失敗しないポイント

をわかりやすく解説します。

結論|とろみ剤を使うときのポイントは3つ

まず覚えておきたいポイントは次の3つです。

  • 混ぜながら追加しない
  • 必ず計量する
  • とろみが安定するまで数分待つ

この3つを意識するだけでも、とろみ剤の失敗はかなり減らせます。

それでは詳しく見ていきましょう。

とろみ剤はなぜ必要?

とろみ剤は、高齢者や飲み込む力(嚥下機能)が低下している方の誤嚥予防を目的として使用されます。

年齢を重ねると、食べ物や飲み物を飲み込む力は少しずつ低下していきます。

特にお茶や水などのサラサラした飲み物は、飲み込むタイミングが合わないと気管に入りやすく、むせ込みや誤嚥の原因になることがあります。

そこで役立つのが「とろみ剤」です。

飲み物や食べ物に適度なとろみを付けることで、口の中でまとまりやすくなり、ゆっくりと飲み込みやすくなります。

そのため、とろみ剤は病院や介護施設だけでなく、在宅介護の現場でも広く利用されています。

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とろみ剤を使う前に知っておきたいこと

とろみ剤は、お茶や水などの飲み物に混ぜるだけで手軽にとろみを付けられる便利な食品です。

片栗粉のように加熱する必要がなく、温かい飲み物にも冷たい飲み物にも使用できるため、在宅介護の現場でも広く利用されています。

ただし、とろみ剤にはひとつ知っておいてほしい特徴があります。

それは、

「入れた瞬間にとろみが完成するわけではない」

ということです。

最近のとろみ剤は改良が進み、とろみが付くまでの時間は短くなっています。

それでも、とろみが安定するまでには少し時間がかかります。

そのため、

「まだ薄いかな?」

と思って追加した結果、とろみが強くなりすぎてしまうことも少なくありません。

実際に在宅介護の現場では、

  • とろみが強すぎる
  • ダマになっている
  • 毎回濃さが違う

といった失敗がよく見られます。

しかし、その多くはとろみ剤の特性を理解していれば防ぐことができます。

とろみ剤を使うときは、

① 正確に計量する

② しっかり混ぜる

③ 数分待ってから状態を確認する

この3つを基本にしましょう。

まずは正しい使い方から確認していきます。

とろみ剤の正しい使い方

とろみ剤を使うときに大切なのは、

  • 正確に計量する
  • よく混ぜる
  • 数分待つ

の3つです。

飲み込む力(嚥下機能)は人によって異なるため、必要なとろみの強さも一人ひとり違います。

そのため、「なんとなく」でとろみを付けるのではなく、まずは商品の使用量の目安を参考にしながら調整していきましょう。

特に使い始めのうちは、

「少し薄いかな?」

「少し濃いかな?」

と迷うこともあると思います。

そんなときこそ自己流で調整せず、正確に計量することが大切です。

また、とろみ剤は混ぜた直後ではなく、数分経ってから状態が安定します。

混ぜながら追加してしまうと、とろみが強くなりすぎてしまう原因になります。

まずは決められた量を入れてしっかり混ぜ、数分待ってから状態を確認するようにしましょう。

出典:栄養指導Navi「とろみのつけ方」

 

まずはこの流れを覚えましょう。

ダマになりにくい混ぜ方

とろみ剤を使う際によくある悩みが「ダマ」です。

ダマができると飲み込みにくくなるだけでなく、とろみの強さにもムラが出てしまいます。

できるだけ均一な状態になるように、次の方法を試してみてください。

方法① スプーンで素早くかき混ぜる

とろみ剤を入れたら、スプーンを左右に動かしながら素早くかき混ぜます。

一か所に集中して混ぜるのではなく、とろみ剤を全体に散らすようなイメージで混ぜるとダマになりにくくなります。

方法② コップに先にとろみ剤を入れる

飲み物を入れる前に、とろみ剤をコップへ入れておく方法です。

その後、飲み物を勢いよく注ぐことで均一に混ざりやすくなります。

方法③ 小型の泡立て器を使う

スプーンよりも泡立て器やフォークの方が混ざりやすい場合があります。

最近では100円ショップでも小型の泡立て器が販売されているので、ひとつ用意しておくと便利です。

とろみが強すぎた・弱すぎたときの対処法

どれだけ気を付けていても、とろみの調整に失敗してしまうことはあります。

そんなときは慌てずに調整しましょう。

とろみが弱かったとき

後から直接とろみ剤を追加すると、ダマになりやすくなります。

そのため、別の容器で同じ飲み物にとろみを付けたものを作り、少しずつ混ぜながら調整する方法がおすすめです。

とろみが強すぎたとき

同じ飲み物を少しずつ加えながら混ぜましょう。

一度にたくさん加えると今度は薄くなりすぎてしまうため、少量ずつ調整するのがポイントです。

ペットボトル飲料にとろみを付けるとき

ペットボトルの場合は、最初に少し飲んで容量を減らしておくと混ざりやすくなります。

とろみ剤を入れたらすぐにキャップを閉め、しっかり振りましょう。

その後、数分待ってから状態を確認してください。

管理栄養士からひとこと

とろみ剤を使い始めたばかりの頃は、

「これで合っているのかな?」

と不安になる方が少なくありません。

でも大丈夫です。

私自身も多くのご家族と関わってきましたが、皆さん少しずつ慣れていきました。

大切なのは完璧を目指すことではなく、その方に合った状態を安全に続けることです。

また、食べる方の気持ちへの配慮も忘れないようにしたいですね。

目の前でとろみ剤を入れることを嫌がる方もいます。

食事を楽しむ気持ちも大切にしながら、無理なく続けていきましょう。

まとめ

今回は、とろみ剤の正しい使い方について解説しました。

とろみ剤を上手に使うポイントは、

  • 正確に計量する
  • しっかり混ぜる
  • 数分待ってから状態を確認する

この3つです。

慣れないうちは

「これで合っているのかな?」

と不安になることもあると思います。

しかし、とろみ剤の特性を理解して基本を守れば、少しずつ適切なとろみの状態を作れるようになります。

管理栄養士
管理栄養士
大切なのは完璧を目指すことではなく、食べる方が安全に飲み込みやすい状態を続けることです。

無理のない範囲で続けながら、その方に合った食事環境を整えていきましょう。

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