「とろみ剤」も一昔前よりずいぶんと改良が進み、扱いやすくなってきてはいますが、製品によって種類や特徴も異なるので実際にうまく使いこなしている人は、意外と少ないのが現実です。
介護者にとって、「とろみ調整剤」は毎日、毎食使うものです。
食事だけでなく、お茶やジュースを飲む際など、食に関するあらゆる場面で活用します。
せっかく飲み込みやすくするために利用した「とろみ調整剤」の粘土が強過ぎると、今度は喉に張り付いて飲み込みにくかったり、誤嚥のリスクを高めたりする場合もあります。
「今使っている【とろみ調整剤】これでよいのかな?」なんて不安がある方は
まずは、こちらの記事も参考にしてみてください。
▼ こちらの記事で「とろみ剤の種類や選び方を解説!」をご紹介▼
とろみ剤選びの参考にしてみてください。
親の食事の作り置きのレシピ本も人気を集めていますよね!
『遠距離・中距離介護』なんて言葉も生まれていますから、介護が必要な親と同居はせずにできる限りのサポートをしたいという方にとって「親への作り置きごはん」どんどん一般的になってくるのかもしれませんね。
「作り置き」といえば冷蔵・冷凍保存が一般的ですが、介護食はとろみがついた形態のものが多いですよね。
今回は、とろみ付き食品を、冷凍・冷蔵保存は出来るのか?「介護食の作り置き」について詳しく解説します!
ちなみに…
写真やイラストを用いてわかりやすく解説しています。
とろみ調整食品の冷蔵庫保存は可能?
作り置きしたとろみ付きの介護食を「冷蔵庫保存」は可能です。
ポイントは「とろみ調整剤の種類」です。
とろみ剤は大きく分けて3つに分類されます。
それぞれ主原料が異なっていて、第一、第二、第三世代と後ろの世代になればなるほど時代とともに改良が加えられてより使いやすいものになってきています。
第三世代のものは、デンプンを使用せず、増粘多糖類とデキストリンだけを主原料としていて、とろみをつけても白くならず、ほぼ無味無臭のため食べ物や飲み物の味を変化させず素材の味や色をそのまま生かすことが出来るようになりました。
とろみ自体も安定しやすく、とろみ剤を加えてからとろみがつくまでの時間も短縮されています。第一・第二世代の欠点を克服して、現在の医療施設の現場で最も多く使用されているのがこの第三世代です。
とろみ付き介護食の作り置きをする場合は、第三世代のとろみ調整剤の中でも「温度変化に強いとろみ調整剤」を使う必要があります。
具体的な商品だと、「ソフティアS(エス)とろみ食用」がおすすめです。
こちらの商品は、食材の冷温にかかわらず一定の粘度を示すので一度とろみ付きの介護食を冷蔵庫に保存して温度低下した場合、また再加熱した場合もとろみの強さの変化が比較的少ないとろみ調整剤です。
基本的にとろみ調整剤は、温度が高いほどとろみがつきにくいので再加熱の際には細心の注意が必要です。
再過熱しすぎて、当初とろみをつけた時よりも高い温度で食べることになると、とろみの強さが弱くなり誤嚥を招く恐れがあります。
下の項目で解説する「保存期間」も守るようにしましょう。
とろみ調整食品の冷凍庫保存は可能?
作り置きしたとろみ付きの介護食を「冷凍庫保存」は基本的にはNGです。
とろみがついた液体を冷凍して加熱・解凍した場合ははじめにとろみをつけた状態とはとろみの強さはかわってしまいます。
また、ソフト食やゼリー食の状態のものでも、専用の調整剤を使用したものでないと一度冷凍後に加熱解凍すると料理からの離水がおき『誤嚥』しやすくなるので危険です。
つぶしたり、ペースト状の介護食を冷凍する場合は、とろみをつける前の状態で冷凍保存して、食べる際に加熱解凍後、とろみ調整剤を使ってとろみをつけましょう。
ソフト食、ゼリー食の場合は冷凍保存が可能なものもあります。
具体的な商品だと、「ソフティアR(アール)ゼリー食用 」です。
こちらの商品は、チルド保存はもちろん冷凍保存後、加熱してもお料理の離水等が少ないので、冷凍保存に適しています。
調理方法も、ペースト状にした食材に混ぜて加熱、冷却することで簡単に調理できます。
冷凍の場合も「保存期間」を必ず守り、食べる前に必ず状態をチェックして安全を確認してから提供することが大切です!
とろみ調整食品の保存期間は?
介護食の中でもミキサー食やきざみ食などは、人の手が加わる機会が多いので雑菌等が増えやすい状態にあります。
室温に置いている時間が長ければ長いだけ、雑菌があっという間に繁殖し、食中毒の原因にもなります。
作り終えたものは、清潔なタッパーに移し、早めに冷蔵庫で保存しましょう。
冷蔵庫で保存する場合は24時間以内に、冷凍庫で保存する場合も1週間程度、遅くても2週間以内には食べきるようにしましょう。
その他、介護食作り置きの注意点
普段のお食事の場合もそうですが、調理前はもちろん、調理中であっても肉や魚、土がついた野菜を触った後は必ず手を石鹸等でしっかり洗い衛生面には細心の注意を払うようにしましょう。
また、調理器具(まな板や包丁)も、野菜・肉・魚というふうに、食材によって使い分けることも必要です。
高齢者の多くは、免疫力・抵抗力が低下しています。
梅雨時期~夏場など温度管理が難しく食中毒等の心配がある時期は作り置きは極力控えましょう。
解凍の仕方ですが、自然解凍をすると雑菌が急激に繁殖してしまいます!
必ず、電子レンジ等でしっかりと再加熱しましょう。
介護食の宅配弁当やレトルトも検討してみて
「大切な家族のために、添加物などできるだけ少ない栄養満点のお食事を作りたい!」
そんなお気持ちも大切ですが、介護食の作り置きはなかなかハードル高めです。
取扱いの難しさや衛生面から考えると、ぜひ「介護食の宅配弁当」や「レトルト介護食」も検討してみてほしいです。
▼こちらの記事で「介護食の宅配弁当(区分別)おすすめランキング」をご紹介▼
実際に私が食べたものをレビュー付でランキング
ソフト食のランキングもあるのでおすすめ!
▼ こちらの記事で「レトルト介護食の各社の違いを比較記事」をご紹介▼
栄養士目線で味や食べやすさを解説しています。
まとめ
今回は、とろみ付き食品を、冷凍・冷蔵保存は出来るのか?
「介護食の作り置き」について、保存方法やおすすめのとろみ調整剤などを解説しました。
毎日の介護食も大変ですが、「作り置き」となると、保存方法・解凍方法・解凍後の状態確認など、なかなかハードル高めです。
食材や調理法・料理の温度によってもとろみの状態にムラが生まれやすいので、慎重に安全を確認しながら無理のないように始めてみてください。
また、作る側も無理をしすぎずに可能な範囲で「介護食の宅配弁当」や「レトルト介護食」も検討してみてください。
▼こちらの記事で「介護食の宅配弁当 おすすめランキング」をご紹介▼
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