高齢者と外食を楽しむには?介護食対応レストランの探し方と選び方
はじめに
「最近、親が外食に行きたがらなくなった…。」
「噛む力や飲み込む力が弱くなってきたから、もう家族みんなで外食するのは難しいのかな。」
そんな悩みを抱えているご家族も多いのではないでしょうか。
高齢になると食事の内容だけでなく、歩くことやトイレ、車いすでの移動など、外食にはさまざまな心配が増えてきます。
しかし、少し準備をするだけで、安心して外食を楽しめるケースも少なくありません。
私もデイサービスで働く中で、
「久しぶりに家族と外食してきたよ。」
「大好きなお寿司が食べられて嬉しかった。」
そんな利用者さんの笑顔を何度も見てきました。
外食は、ただ食事をするだけではありません。
家族と同じ時間を過ごし、美味しいものを食べ、「また行きたいね」と思える大切な思い出になります。
高齢者との外食は「食べる楽しみ」を取り戻す時間
高齢になると、自宅で過ごす時間が増え、外出の機会も少なくなりがちです。
食欲が落ちたり、人と会う機会が減ったりすると、「食べること」そのものへの楽しみも少しずつ失われてしまいます。
そんな時こそ、家族との外食は大きな気分転換になります。
いつもとは違う景色の中で好きな料理を食べたり、家族とゆっくり会話を楽しんだりする時間は、食事以上の価値があります。
デイサービスでも、
「昨日、娘と外食に行ってきたんだ。」
「久しぶりに家族みんなで食事ができて嬉しかった。」
と笑顔で話してくださる利用者さんがたくさんいらっしゃいます。
たとえ食べられる量が少なくても、「外へ出かけて家族と食事をした」という経験は、ご本人にとってかけがえのない思い出になることがあります。
外食前に確認しておきたい5つのポイント
高齢者との外食を成功させるためには、お店選びよりも事前準備が大切です。
① 食べられる食事形態を確認する
高齢者といっても、食べられる状態は一人ひとり違います。
例えば、
- 普通食
- 一口大
- やわらか食
- 刻み食
- ムース食
など、その方に合った食事を選ぶことが大切です。
「少し噛みにくいだけ」なのか、「飲み込みに不安がある」のかによっても選ぶ料理は変わります。
事前にご本人の状態を確認し、お店にも相談しておくと安心です。
② 車いすや歩行器でも利用しやすいか確認する
段差が多いお店や通路が狭いお店では、移動だけで疲れてしまいます。
確認しておきたいポイントは、
- バリアフリーか
- エレベーターがあるか
- テーブル席があるか
- 車いす対応トイレがあるか
などです。
ホームページだけでは分からない場合もあるため、電話で確認すると安心です。
③ トイレの場所を確認する
高齢になると、頻尿や尿もれなどが気になる方も少なくありません。
席からトイレまでの距離や、介助しやすい広さがあるかを確認しておくことで、安心して食事を楽しめます。
④ 駐車場や送迎のしやすさを確認する
歩く距離が長いだけでも疲れてしまうことがあります。
できるだけ店舗の近くに駐車場があるお店や、乗り降りしやすい場所を選ぶのがおすすめです。
また、車いすを利用する場合は、駐車場から店内までスムーズに移動できるかも確認しておきましょう。
⑤ 必ず予約をして事前に相談する
例えば、
- お肉を一口大にカットしてもらう
- ご飯をやわらかめにしてもらう
- やわらかい料理を教えてもらう
など、お店によっては柔軟に対応してもらえることがあります。
ホームページに「介護食対応」と書かれていなくても、相談すると対応してくださるお店は意外と多くあります。
まずは気軽に問い合わせてみることをおすすめします。
介護食対応レストランとは?
介護食対応レストランとは、噛む力や飲み込む力が弱くなった方でも食事を楽しめるよう、食べやすさに配慮した料理を提供しているお店のことです。
お店によって対応内容は異なりますが、
- 一口大へのカット
- 刻み食
- やわらか食
- ムース食
- とろみ対応
などに対応している場合があります。
また、介護食専用メニューがなくても、事前に相談することでできる範囲で対応してくれるレストランもあります。
「介護食対応」と書かれていないからと諦めず、一度問い合わせてみることが大切です。
電話予約で確認しておきたいこと
介護食対応レストランと書かれていなくても、事前に相談することで対応してもらえるケースがあります。
予約の際には、次のような内容を確認しておくと安心です。
- 一口大や刻み食に対応できますか?
- やわらかいメニューはありますか?
- 車いすでも利用できますか?
- 車いす対応トイレはありますか?
- アレルギーや食事制限に対応できますか?
- 必要に応じて、とろみ剤や介護食を持ち込んでも大丈夫ですか?
地域別|介護食対応レストランを探したい方へ
介護食対応レストランは全国に少しずつ増えてきていますが、まだ数は多くありません。
私も実際に調べた地域別の記事がありますので、お住まいの地域に合わせて参考にしてください。
東京で探したい方はこちら
ホテルレストランを中心に、介護食対応ややわらかい食事について相談できるお店をまとめています。
関西で探したい方はこちら
大阪・京都・兵庫を中心に、介護食対応レストランや相談できるお店をご紹介しています。
近くに介護食対応レストランがないときは?
「介護食対応」と書かれているお店が近くになくても、外食を諦める必要はありません。
例えば、
- ホテルのレストラン
- 和食店
- 個室のあるお店
- バリアフリー対応のお店
などは、事前に相談するとできる範囲で対応してもらえる場合があります。
特に和食店は、
- 茶碗蒸し
- 豆腐料理
- 煮魚
- やわらかい煮物
など、高齢者でも食べやすいメニューが比較的多くあります。
また、お肉や野菜を一口大にカットしてくれるお店もあります。
「介護食対応」という言葉だけにこだわらず、まずは相談してみることをおすすめします。
高齢者との外食で持っていくと安心な持ち物

すべてを持って行く必要はありませんが、その方の状態に合わせて準備しておくと、慌てずに食事を楽しめます。
食事用エプロン
食べこぼしが心配な方は、使い慣れた食事用エプロンを持参しましょう。
お店によっては紙エプロンを用意してくれる場合もありますが、高齢者用の食事エプロンの方が衣服をしっかり守ることができます。
「人前では付けたくない」という方もいるため、ご本人の気持ちにも配慮しながら声をかけることが大切です。
食事用はさみ
お肉や野菜など、大きいままでは食べにくい料理もあります。
食事用はさみが1本あると、その場で食べやすい大きさにカットできるため、とても便利です。
お店によってはカット対応をしてくれる場合もありますが、混雑時などは難しいこともあります。
そんな時にも食事用はさみがあると安心です。
とろみ剤(必要な方)
飲み込みに不安がある方は、とろみ剤を持参しましょう。
お茶やお味噌汁などにも使用できるため、誤嚥予防につながります。
外食先では用意されていないことがほとんどなので、普段使用している方は忘れずに持参することをおすすめします。
ウェットティッシュ・おしぼり
食事中の手や口を拭いたり、テーブルを少しきれいにしたりと、意外と活躍するアイテムです。
アルコールが苦手な方は、ノンアルコールタイプを選ぶと安心です。
常備薬・飲み物
食後に服用する薬がある場合は、忘れずに持参しましょう。
また、水分補給も大切です。
特に夏場は脱水予防のためにも、こまめに水分がとれるようにしておきましょう。
車いす用クッション(必要な方)
長時間座ると疲れやすい方や、車いすとテーブルの高さが合わない場合には、クッションがあると便利です。
私自身も、高齢の家族と外食した際に、お店の方がクッションを貸してくださり、とても食べやすくなった経験があります。
高さを少し調整するだけでも、食事のしやすさは大きく変わります。
管理栄養士からひとこと
すべてを完璧に準備しようとすると、外食そのものが負担になってしまいます。
「今日は少しだけ外の空気を吸って、美味しいものを食べよう。」
そのくらいの気持ちで十分です。
少し準備をしておくだけで、ご本人もご家族も安心して食事を楽しむことができます。
まとめ
高齢者との外食は、事前に少し準備をするだけで安心して楽しめることがたくさんあります。
今回ご紹介したポイントをまとめると、
- 食べられる食事形態を確認する
- 車いすやトイレなど設備を確認する
- 必ず予約をして事前に相談する
- 無理のないお店選びをする
- 「食べる楽しみ」を大切にする
ことが大切です。
介護が必要になったからといって、外食を諦める必要はありません。
その方の身体の状態に合わせながら、ご家族との大切な時間を楽しんでいただけたら嬉しく思います。
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